日本の食文化「料亭」と「割烹」の違いは?カウンターレストランの発祥とは?
寿司屋、天麩羅や、蕎麦屋、日本では普通に良く見かけるカウンターレストラン。海外では、お酒を飲むバーなどではカウンターはありますが、本格的な料理を楽しむことができるカウンター形式のレストランはあまり見かけることがありません。カウンター形式のレストランは日本オリジナルな文化と言っても過言ではありません。

実は、このカウンターレストランの起源を辿ると大正時代にまで遡るといわれています。そんなカウンター料理をより深く知るために、まずは、日本の料理の代表格である「料亭」と「割烹」から説明します。

料亭と割烹の違い

料亭

料亭01
料亭は江戸時代の中頃から後期にかけて、深川や浅草において出現した高級料理料理屋がその起源といわれています。幕府の高位の役人や、江戸の留守居役、豪商等が、芸者を招きお座敷遊びをしているシーンは、時代劇でよく目にするシーンですね。
芸妓01
料亭では、あらかじめメニューが設定されたコース料理が提供されることが一般的です。使用される食器やお部屋の調度品は洗練された高級品が使用されることが多く、また、手入れされたお庭があったりと、食事だけでなく、見たり、体験することで日本文化を堪能することが出来ます。
料亭02
料亭は個室で日本料理を楽しむスタイルです。そのため、お客同士が出会わないように、個室ごとにトイレが設けられていたり、階段が複数あったりと工夫がなされています。個室というスタイルのため、客室と調理場は完全に違う空間になるため、調理人がどのように調理しているかを見ることが出来ません。

調理人が調理場で調理をし、中居さんがお座敷まで、料理を運ぶというのが、料亭のスタイルです。

割烹

割烹は、「割(さ)く」、「烹(に)る」という言葉とおり、元々は調理や調理方法のことを表す言葉でした。それが現在では、日本料理を食べることができるお店のことを意味するようになっています。
割烹01
割烹は、明治時代後期から大正時代にかけて、大阪で始まったといわれています。料亭は関東を起源に持ち、割烹は関西を起源に持っているのですね。

そして、料亭との大きな違いは、調理場と客席が同じ空間にあることです。割烹では、カウンター席やテーブル席が中心となっています。カウンター席では、調理人と会話を楽しみながら、食べたいものを直接オーダーですることが出来ます。そして、何より、調理の様子を見ることができるのが大きな魅力です。
割烹02
割烹では、接客を専門とするスタッフを置かず、調理人が直接出来立ての料理をお客に提供するスタイルが一般的です。

このように、カウンタースタイルは日本の歴史的なスタイルである割烹が由来という事が出来ます。割烹という言葉を掲げた日本の最初のお店は、京都・祇園の「浜作」さんとして知られています。

世界に認められる日本のカウンターレストラン

割烹に由来するということが出来るカウンタースタイルについて、20世紀最高の料理人といわれるジョエル・ロブション氏の言葉が、その素晴らしさを裏付けるのではないかと思います。

私自身がくつろげる店を作りたかった。盛り付けなどに注いでいた神経を、お客さんと楽しく過ごすことに使いたい。

伊藤洋一『カウンターから日本が見える 板前文化論の冒険』(新潮新書)より

この言葉に示されるように、調理する側は

  • お客とのコミュニケーションを通して、
  • 自分が作った料理を目の前でお客が食べる表情を見て感想を感じとることを通して、

直接、反応を感じ取って過ごしたいという思いを持って調理をしているという事です。
カウンターレストラン
これは、全てのサービスに共通する思いだと思います。実際、色々な商品サービスを広めていくために、「一番大切なことは、お客の声を聞くということ」と多くのビジネス書に記載があります。

ちなみに、ロブション氏は、オープンキッチンで料理を仕上げカウンタースタイルでのフレンチレストラン「ラトリエ ドゥ ジョエル ロブション」の第1号店を2003年に世界に先駆けて、東京・六本木ヒルズにオープンされました。

お客のリアクションを直接感じ取る事ができるカウンタースタイルは、食事を提供する側にとってもメリットがあるスタイルという事なんですね。

実際、カウンターレストランで食事をした時に、調理長が
「カウンターで調理する時は、味はもちろん、見せる料理に気を配っていて、常に探求している。それが、成長につながるし、楽しい。」と仰っていた事が私にとっても印象的でした。

もちろん、食事を提供される側は、目の前で食材が調理されているのかを見る事ができ、調理していただく方と、産地や調理方法について、はたまたお店の裏話?を交えて食事できるのは本当に貴重な体験で、楽しいものです。

まとめ

この記事では、世界に類を見ない日本食のカウンタースタイルについて、その由来と共に紹介いたしました。

  • 日本食の代表的なスタイルは、料亭と割烹
  • 料亭は、調理場と食事所が違う空間
  • 割烹は、調理場と食事所が同じ空間
  • カウンターレストランは割烹の流れをくんでいると考えられる

色々な食事スタイルにも、歴史がありますね。それらを頭の片隅におきながら、レストランに行って食事を楽しみ、レポートしていきたいと思います。

この記事が少しでもお役に立てると嬉しいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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