もくじ
真田発祥の地として有名な上田に「旅行に行こう」、旅行にき来て「何をしようかな?」と迷っていたら是非、上田紬の織り物体験をオススメします。この記事では、着物や織物に興味がある方はもちろん、お子様から大人まで楽しみながら、日本の伝統に触れる事ができる織り物体験について紹介いたします。
上田には、何箇所か織り物体験ができる工房があります。その中で今回私は、小岩井紬工房にお伺いして、「花瓶敷織体験」に参加いたしました。
小岩井紬工房体験アクティビティ概要
小岩井紬工房でできる体験
工房見学
- 価格:見学無料
- 予約:予約不要(10名以上の場合要予約)
花瓶敷織体験
- 価格:税込み2,500円(一人当たり)
- 予約:要予約
- 所要時間:40分程度
上田紬の着物や帯、小物の買い物
- 着物や帯:常時100反以上の取り揃えがあります。
- 小物:ストール、がま口、ネクタイ、ポーチ、印鑑ケース、ストラップなど20種類以上が取り揃えられています
支払い:クレジットカードの扱いあり(VISA、MasterCard、AMERICAN EXPRESS)
アクセス
- 住所:〒386-0042 長野県上田市上塩尻40
- 最寄駅からのアクセス:しなの鉄道 西上田駅より徒歩5分程度、JR 上田駅より車で約15分程度
- TEL/FAX:0268-22-1927
営業時間と定休日
- 営業時間:9時~18時頃
- 定休日:不定休
- ホームページURL:http://www13.ueda.ne.jp/~koiwai-tsumugi/index.html
上田紬とは
体験する前にその文化について知識を深めておくと、より深く体験を味わう事ができます。体験談に入る前に、まず、上田紬について簡単に紹介いたします。
紬(つむぎ)とは?
紬とは、蚕(かいこ)の繭(まゆ)から糸を取り出してきて、ひねりを加えて丈夫な糸に仕上げてから織った絹織物のことをいいます。また、紬は世界一緻密な織物ともいわれる織物としても有名です。
日本三大紬とは?
そんな紬には、日本三大紬と呼ばれる有名どころがあります。特に、鹿児島県奄美大島半島の泥染めで知られる「大島紬」、茨城県結城市せ織られた「結城紬」の二つは非常に有名です。この二つが日本二大紬で揺るぎない地位を獲得しています。
三大紬の三つ目の候補には、諸説あります。玉繭から糸を取り出す製法を使う石川県石川郡白峰村の「牛首紬」、落ち着いた色合いで知られる新潟県南魚沼市で織られた「塩沢紬」。そしてこの記事で紹介しております長野県上田市の「上田紬」といった候補が挙げられております。
上田紬との真田家
上田といえば、武将ファンの中でも人気の高い真田三代(真田幸隆・昌幸・信繁(幸村))の発祥の地です。上田紬と真田家の関係も諸説ある様です。
上田紬は、
- 強くて丈夫
- 縞や格子状の模様
という特徴を持っています。
強くて丈夫という特徴について、日の本一の兵(つわもの)として知られる真田幸村に掛けて、真田と上田の強さを共に称えらたともいわれています。また、縞や格子状の柄について、上田城の築城後に真田昌幸が広めた真田織から来ているともいわれています。
その他、上田紬の織物組合では、真田家の家紋である六文銭を商標として使用しています。
この様に真田家と上田紬は、色々な所で接点がある様です。歴史ファンとしては興味深い所ですね。
私の体験談
ここからは、私の体験を紹介させて頂きます。私の場合は電車で小岩井紬工房さんにお伺いしたので、しなの鉄道「西上田駅」から徒歩で向かいました。
駅からは歩いて5分位で到着しました。工房の外観の写真は、取り損ねてしまいました…。
工房に到着すると、すぐに織り機がある2階に上がりへご案内いただきました。工房に足を踏み入れると、目の間に出てきたのが織り機です。
明治時代から使われているという織り機とのことです。200年も使われているとは思えないほど綺麗でした。手入れが行き届いているんですね。製品が素晴らしいものは、製品を作る道具も綺麗なんだなと感じました。
織り物は、緯糸(よこいと)を選ぶところから始まります。選んだ緯糸(よこいと)を工房のスタッフの方が、杼(ひ)に取り付けていだきました。さぁ、織り体験のスタートです。
織物では、縦糸と横糸とは書かず、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)と書きます。縦・横ですと、90度回転させると縦と横が逆転するためこの様な表現になっている様です。地球の経度、緯度も織物からきています。
横側から車輪がついた杼(ひ)を経糸(たていと)の間にいれて、逆サイドに滑らせます。車輪がついているので、上手くいくとシュッと逆方向に杼(ひ)を移動させるとこができます。この操作で緯糸(よこいと)を通します。次に、筬(おさ)を一度軽く打ち込みます。そして踏木(ふみき)を踏んで経糸(たていと)の上下を入れ替えてからもう一度筬(おさ)を打ち込みます。この一連の流れを繰り返していきます。
緯糸(よこいと)の張り具合が、織物の端部が揃うかどうかのポイントになりますので、一定の力で緯糸(よこいと)を張るのが大切です。とはいいつつ、綺麗に揃えるのは素人にはなかなか難しいかったです。「いびつになったのも味わいがある」と自分で納得しています。
初めはギコチナイ動きですが、すぐに慣れました。慣れるとトントンと筬(おさ)を打ち込むのが楽しくなって、どんどん進みました。
出来上がった花瓶敷はこちらです。サイズは写真の方向で縦21 cm×房を含めて横33 cmです。うまく揃っているところと、いびつな所がまばらですね。
体験が終わった後、上田紬の着物や帯、小物を展示されてある座敷に通して頂き、色々な作品をご紹介いただきました。お茶なども頂き、ほっこりした時間を過ごさせて頂きました。
まとめ
この記事では小岩井紬工房での、上田紬の花瓶敷織り物体験を紹介いたしました。実際のものづくりを通して、日本の織り物技術の高さ、伝統工芸の美しさを深く味わう事ができました。織り物体験は、色々な場所で実施されているので、機会を見て参加したいと思います。
上田紬の花瓶敷織り体験は、古くて新しい不思議な感覚を味わう事ができました。本当に良い体験でした。是非みさまも一度検討してみていただければと思います。